2014-02
【 季節を愛でる日本のことば 】『 春 』
春が立つ
春が来た
【 季節を愛でる日本のことば 】『 福 』
福は内
笑顔で邪気を払って
漢字とひらがなとカタカナが生み出すもの
日本語は三種類の文字から成り立ち、
日本人は3つの文字を使い分け組み合わせて表現ができます。
・中国から伝わった漢字。
・倭語(日本固有の単語)に漢字をあてて表現していたものをくずして生まれたひらがな。
・漢文を日本語として読むための補助的な文字として生まれたカタカナ。
世界中、ほとんどの言語は一種類の文字から成り立っています。
それだけ日本語は多様な表現、繊細な表現が生まれます。
そして日本人は多様な文化を生み出し、繊細な精神を育みました。
「桜」「さくら」「サクラ」…思い浮かぶ景色が違います。
わたしは満開だったり、花吹雪だったり、花びらだったり。
どの景色にもハラハラと散り落ちる「sa・ku・ra」が見えます。
それは文字を知る以前に、母が「桜が満開ね。」と見上げた桜から
ハラハラと散っていく数枚の花びらをみていたから。
「わぁ♪きれいなさくらね。これが最後かなぁ。」と手をつないで歩いた
桜吹雪の中でも、舞踊る花びらをみていたから。
手のひらに「サ ク ラ よ」と花びらを置いてくれたから。
親が見ていたものを子は見て、親が発することばを子は聞いて覚えます。
母国語は親から伝えられることばです。
それを日本人は無意識のうちに三種類の文字で表現しているから、
多様な表現と繊細な精神が身につく。
日本人は筆の扱いが世界一上手い
書には3つの顔がある
①教育としての書
幼いころから習う「お習字」、美文字のお稽古など字を習う
正しい書き順を覚える、美しい文字を身につける書。
②修行としての書
能力や技術の向上に励む中で、正座をし精神統一すること
集中する行いは修行の書。写経は仏を写す仏教の修行の書。
③芸術としての書
文字を選び、自分の内面を表現する書。
みる人に何かを伝える書。鑑賞しそこから何かを得る書。
日本人には①教育としての書がなじみ深い。
お習字が身に付き、イメージが染み込んでいる。
残念ながらうまく書けなかった、直された、というよくない
思い出が多いのか、苦手意識の強い人も多い。
それだけ筆を扱うことに優れている日本人。
アジアの中でもこれだけ幼少期に筆を持ち、筆で文字を学ぶ国はない。
もっと自信をもって。
もっと機会をもって。
筆に 書に 親しんでいける。