日本文化
熱を感じた夜
書き初め
1月2日の朝 元旦の夜露を集めて墨をすり、恵方に向かって心新たに筆を持つ。
今年一年つつがなく健やかでありますように。
東京は春のような陽気になり、吉書も気持ち良く書き上げました。
みなさまも穏やかで明るい一年になりますように♪
和
なごみ やわらぐ のどか ゆるやか
お互いに争わず仲良くする
季節が穏やかに 移ろう中で
大切な人と 雪月花を愛で
歳時記を みなで積み重ね
過去を敬い 未来に期待し
今をのどかに生き
すべてが調和し 平和な日々
自分の中に 揺るぎないものを持ちながらも
あらゆるものを受け入れ
新しいものを生み出す力
日本人が持つ和の力は
日々の中のさもないことの蓄積
今 生きているわたしたちが
ならわしやたしなみを知る 最後の世代
和の文化は日々の暮らしの中にある
和の文化は身近な人と人の和の中にある
和の文化は世界の和を築く力がある
尺差しにこめられたもの
書くことにしか自信がなく、裏打ちから全て表装の専門家にお任せしている。
時々、自分でもやってみたいと手がウズウズしてしまい、挑戦しては不器用さを思い知る。
今日も表具師の技を間近で見せていただき、懲りもせずまたウズウズしてしまった。
刷毛を優しく扱う姿は、扇子を手に日本舞踊を舞うような美しい手さばき。
和紙をそっと引き上げ、パッと手放す仕草は魔法使いのようでもあり。
生麩糊(しょうふのり)、楮紙(こうぞがみ)、薄美濃紙(うすみのがみ)、美栖紙(みすがみ)、宇陀紙(うだがみ)。
材料の名前を耳にするだけで、奈良・平安時代にタイムスリップしたような気分になり奈良・平安時代から続く表装の歴史を感じる。
定木や尺差しを優雅に使いこなす姿に見とれていると
「この尺差しは60年前のもの」(写真左)
ボソッと尺差しを見せてくださった。
あめ色に変化した美しい尺差しを手に取ると、手に馴染むしなやかさとびくともしない強靭さを感じる。
現代のものと比べると、薄さと目盛り線の細さの美しさが歴然。
厚みがあればある程、誤差がでる。限界まで薄くしているのに竹の強さは残っている。
目盛りの線は誤差とは呼べない程でも、限界まで細くして誤差を縮めている。
少しでも薄くして、少しでも目盛り線を細くして、使う人ができるだけ誤差のないように。
そこに職人の思いやりと心意気を感じて、惚れ惚れ見惚れていた。
想いがこもっているものには魂が宿り、魂こもったものは美しい。