書の魅力
書は人なり
芸術とよばれるものは、書に限らず日常の人柄が作品に表現されます。
文学のようにことばを選び、絵画のように文字を書く芸術である書は
他の芸術以上に人格・人柄を表すものになります。
ことばを選び、文字を選ぶ時、その人の生きざまが表れます。
立派なことばを選んでも、その人に不釣り合いなことばは心の表情まで
書の表情で書くことはできません。
その時の自分に正直に素直なことばを選んでこそ、真の表現力が発揮できます。
そうして選ばれたことばを書の表情で書く時
さらにその人の生きざま、体格や性格、精神状態までもが表れます。
その人の筆意・筆勢は、その人の性格や個性、無意識な領域での性質と
その時その人が実感する感情、無意識な感情が表現されています。
無心で書くことの大切さがここにあります。
無心であるからこそ、その人の人格・人柄が表れるのです。
形や線の美しさにとらわれることなく、伸び伸び書かれた書にはその人が宿っています。
直筆を肉筆というように、書はその人の一部になるのです。
2014-02-22 | Posted in 書の魅力 | No Comments »